masamasa1985’s diary

元料理人の和包丁ファンによる堺和包丁のウンチクを語ります。

和包丁の鋼の種類(白鋼、青鋼)別の特徴について

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和包丁に使用される鋼材には

複数の種類が存在します。

 

中でも、伝統的でポピュラーなものが

『鋼(ハガネ)』となります。

 

他にも、ステンレスや合金などあり、

それらにも多数の種類があります。

 

今回は、鋼(白鋼青鋼)の特徴について

解説していきたいと思います。

 

 

白鋼と青鋼の最大の違いって何?

 

プロ用の和包丁に使用される鋼には

白鋼と青鋼があります。

(黄鋼はプロ用に適さないので除外)

 

お店によっては白紙○号、青紙○号のように

いくつか呼び方が異なる場合があります。

 

どちらも、日立金属で生産された鋼となり、

生産時にそれぞれを区別するために

白鋼には白い紙、青鋼には青い紙を貼って

管理していたためそう呼ばれるようになったらしいです。

 

なので、実際に包丁の刃が白かったり、

青かったりするわけではありません。

 

まず、白鋼と青鋼の最大の違いですが、

切れ味の持続性に大きな差が生じます。

 

白鋼よりも青鋼の方が刃持ちが良く、

より多くの食材の切りつけが可能です。

 

わかりやすいように極端な例で説明すると、

 

白鋼だったら刺身を10人前切りつけたら

一度研がない限り、切れ味が落ちて刺身の

質の低下を招いてしまうとします。

 

それが青鋼の場合だと途中で研がなくても

刺身50人前切りつけられる。

 

といった感じです。

 

どうしてこのような違いが生じるのかというと、

鋼に含有される金属の成分が異なるからです。

 

基本的には、青鋼という素材は

白鋼にタングステンやクロムといった

金属を混ぜ合わせ刃に粘度を持たせることで

白鋼よりも切れ味の持続性を高めています。

 

要するに耐摩耗性に優れているから

刃の切れ味が持続する。

 

ということになります。

 

そして、白鋼と青鋼に関してもう1つ

疑問点として浮かび上がるのが1号や

2号(または1鋼や2鋼)といった数字です。

 

 

白1鋼とか青2鋼とかの数字って

どんな意味があるの?

 

これも販売店によっては呼び方が異なります。

 

白紙1号とか、白鋼1号とか、白1鋼などと

いろんな呼ばれ方をされていますが、

素材は日立金属の鋼なので同じものです。

 

この1号とか2号といった数字が表すもの

それは、鋼が含有する『炭素量』となります。

 

ご存知の通り、地球上のあらゆる物質は

炭素含有量が多いほど『硬度』が高くなります。

 

要するに炭素を多く含んでいれば

その分カッチカチに『硬い』ということです。

 

硬い物質で代表的なものがダイヤモンドです。

  

ダイヤモンドは天然の鉱物の中では

地球上でもっとも硬いといわれています。

 

2号よりも1号の方が炭素含有量が多く、

それだけ硬いということになります。

 

では、今回お伝えした白鋼と青鋼の

それらの違いを和包丁選びにどのように

生かしていけばいいのでしょうか?

 

それはまた次の機会にお伝えします。