プロが教える和包丁の選び方3つのポイント
高級料亭や、老舗旅館、回らない寿司店などで
腕を振るうキャリア数十年の料理人たちが密かに
実践している和包丁選び3つのポイントをお伝えします。
この3ポイントに沿って和包丁を選べば
たとえあなたが包丁選びの初心者であっても
和包丁選びに失敗して数万円の現金を損する
などということはなくなります。
※今回お伝えする内容は和包丁の使用用途別の
選び方(刺身→柳刃など)ではなく、
もう少し踏み込んだ『質』の面での
選ぶポイントをお伝えしていきます。
和包丁選びのポイント①
『包丁の鋼材に注目する』
和包丁の醍醐味はなんといっても
その抜群の切れ味にあります。
切れ味を左右する決定的な要素となるのが
包丁の刃の部分の鋼の材質です。
一言でいうと、鋼材が固ければ固いほど
その包丁の切れ味は鋭くなります。
(研ぎがしっかりされていることが前提)
鋼材の硬度は基本的にはその鋼に含有される
炭素の量によって決定づけられます。
では、具体的に鋼の種類はどのようなものがあり、
何がどれくらいの硬度を誇るのかについては
また別の機会にお伝えします。
今回は、和包丁を選ぶポイントの1つに
鋼材の種類があることを頭に入れておいてください。
和包丁選びのポイント②
『錆びるか錆びないかで選ぶ』
これは、先ほどの鋼の種類と関連します。
和包丁の鋼材には大きく分けて“錆びやすい”『鋼(ハガネ)』と
“錆びにくい”『ステンレス(合金)』にわけられます。
それぞれに複数の種類があり、
各々、切れ味や刃の持続性や
研ぎやすさなどに特徴があります。
それらの詳細についても別の機会で
お伝えしていきます。
今回は、和包丁には錆びやすい鋼材と
錆びにくい鋼材があることを把握しておいてください。
和包丁選びのポイント③
『通販で買わない』
「包丁なんて使用してる金属が同じなら
大体どこで購入しても大差ないだろう!」
という認識の人が意外と多いです。
洋包丁など大量生産によって製造される
包丁であれば確かに品質はある程度
均一に保たれているかもしれません。
しかし、
伝統的な製造法によって作られる
和包丁は基本的にはすべて職人の
手作業によるものです。
これは、鋼を鍛え上げる鍛造から
刃付けや柄付けに至るまですべて
別々の熟練の職人がそれぞれ
担当しています。
それぞれ職人や工場、生産地によって
かなりクセが異なり使用者によって
合う合わないが生じます。
最低限、ご自身の手で握ってみて
フィーリングを確認してから購入しないと
まったくご自身に合わない包丁で
日々作業しなければならなくなります。
あなたにどんな目的があり、
どんな気分で料理をし、
誰に喜んでもらいたいのか。
それらを考えたときに自分に合うか合わないか
不明なまま包丁の購入を決定することは
かなりリスキーで非合理的な行為かわかるはずです。