masamasa1985’s diary

元料理人の和包丁ファンによる堺和包丁のウンチクを語ります。

最高級の和包丁はどこで販売されているのか?

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和食の道に数十年携わってきた

料理人の多くは包丁にも独自の

こだわりを持っています。

 

中にはコレクションのように

自慢の和包丁をディスプレイして

眺めている方もいるほどです。

 

「最高級の切れ味を持つ包丁だから使えばいいのに…」

 

我々から見たらそう思うのですが、

彼らにとっては、それが最高の喜びであり

ある種、趣味の一つでもあるようなのです。

 

これは何にでも言えることなのですが、

コレクションの欲求が芽生えれば人は

際限なく収集しようとしてしまいます。

 

時計やオモチャ、骨董(美術)品などが

その代表と言えます。

 

それと同じで、

和包丁も極めて高い芸術性と

希少性を有しているため、

マニアの食指を動かすことができるのです。

 

数百年以上に渡って研鑽され続けてきた

伝統技術を継承した職人の手作業によって

仕上げられた作品は日本刀さながらの

魂が感じられる独特の魅力を放ちます。

 

現在では、海外からもその価値が評価され

世界各地の料理人をはじめ、

多くのコレクターが和包丁を

買い集めているようです。

 

しかし、

 

現在では伝統的な和包丁を

製造する技術を継承した職人も

ごく少数となってしまっている

厳しい現実に直面しています。

 

日本各地で世界水準を大きく上回る

上質な刃物の産地は複数存在しています。

 

その中でも特に『和包丁』の製造で

圧倒的に飛び抜けているのが大阪の堺です。

 

堺打刃物の伝統は古くは安土時代まで遡り、

そこから現代に至るまで600年以上もの

歳月を経て技術は継承され、研鑽され

続けてきました。

 

江戸時代にはその高い品質が評価され、

江戸幕府によって最高品質のお墨付きであり、

他の産地との差別化を図る目的として

『堺極』が附され専売されました。

 

現在でも和包丁の市場では圧倒的である

90%以上の業界シェアを誇ります。

 

そんな世界を魅了するジャパンメイドの

フラッグシップのような存在の堺の刃物職人も

現在では後継者問題に頭を悩ませています。

 

今現在、本当にごく少数しか本物の技術を

有した堺の刃物職人は存在していないのです。

 

600年以上研鑽されてきた独自の技術によって

生産された和包丁が高い『美術性』となるのであれば、

 

刃物職人がこの先更に少数になることを

想定するのであれば、それは圧倒的な

『希少価値』となって市場でのブランド、

価格の急騰となって現れるかもしれません。

 

以上のことから、

最高級の和包丁は大阪堺で製造されたもので、

すべての工程でそれぞれ一流の職人が手作業で

作りあげたものであることは間違いありません。

 

最高級の定義として、

それが必須条件と言えるでしょう。

 

あとは、鋼のグレードと品質、

細かい製造技法による性質面、

柄の種類による製造原価によって

価値が増減することとなります。

 

結論:

最高級の和包丁は伝統的な堺打刃物の

技術を継承した各工程の職人が作りあげたものを

販売している店舗で購入できる可能性が高い。

 

※まだ検討段階ですが、

良い販売店を発見したら報告します。